いのり大佛について

2011年3月11日に発生した東日本大震災は甚大な被害をもたらしました。

最大の被災地となってしまった宮城県石巻市の地に、大佛建立を目指すプロジェクトが始動致しました。

12年の時を経て、ついに動き出した私たちの「願い」

「いのり大佛」のお姿で現れて下さる日を心待ちにしています。

 

 

「待つこと」は決して消極的なことではありません。

 

「待つこと」は、姿を見ることができない大切な相手を想い続け、「まつらう」こと、「まつる」ことに通じます。すなわち、想う相手のそばに心を寄せ、近くにあり続けようとする積極的な行為です。

でも、長い年月、いつ会えるとも定まっていない亡き大切な人を思い続けることは、心を揺らしていきるしかない、ただ、人たる私にとって、とても大変なことでもあります、

それでも、愛情を根として亡き大切な者を「待つ」想いが失われることはないでしょう。しかし、歳月を重ねていく間には、死にたいと思わずとも、生きていくのがつらくなる時や、生きていく力がなくなることもあると思います。

そんな時に、その心を励まし、生あるかぎり亡き大切な人を思い続け、極楽で再会を果たすまで、その人に喜んでもらえるような、精一杯生きて祈り続けてゆこうとする心をやさしく受け止め、支えて下さる存在があれば、どれほど心強いでしょう。

これより石巻西光寺様の敷地に建立する大いなる阿弥陀仏様のご尊容は、必ずや亡き大切な人を想い続け、待ち続ける蓮の会のみなさま、同じく大切な存在を喪った(うしなう)方々の生きる力を励ます存在になります。

私も微力ではありますが、3年かかろうと、5年かかろうと、10年かかろうと、100年かかろうとも、1000年先のその先までも、悲しみという愛を胸に懐い(いだく)すべての人を支えて下さる石巻の大佛建立のために大佛勧進僧として努めます。

妥協なく、蓮の会様と西光寺様にご縁のある人たち、否、石巻や災害地域、大切な人を喪ったすべての人の生きる力となる大佛建立に尽力します。

 

合掌  南阿弥陀佛  吉水岳彦拝