私たちの想い

願い、行動、そして、たどりつく

 

東日本大震災から12年、毎月11日に皆さんと共にお念仏を称えて供養してきました。

この間に多くの震災遺族さんが旅立ちました。

美しい西方極楽浄土の蓮の花の世界で「やっと会えたね」と、抱きあって再会の感動を味わっていることでしょう。

生き残っている私達にも遅かれ早かれ死は訪れます。

阿弥陀如来様に迎えられて亡き人と再会する時まで、私達はこの世でがまんを重ねていかなければなりません。大変つらいことですね。

おしゃか様は、「どんな時も、どんな処でも、悪いことをせず、より多くの善いことを見つけて勤めなさい。善い行い、正直な言葉、にごりの無い心を求めて、この世も後の世も自らを清らかに育てなさい。」

と語られました。

私たちは苦しみの中でも精一杯生きていますが、このような私達を見つめて、さらに導いてお育て下さる大きな仏さまと共に歩んでいきたいと願いました。

必ず生きとげて、蓮の花の上で再会しましょう。

そのお姿を震災遺構門脇小学校の隣にある『祈りの杜』にお迎えいたします。ご協力をお願いたします。

合掌

 

いのり大佛プロジェクト代表 樋口伸生


今まで仏教にあまり関心がなかった私たちが、なぜ大佛を建てたいと思うようになったのか。

それは、悲しい気持ち、やりきれない思い、愛しい感情、全ての想いを預け、自分自身を救い取ってもらいたいと願ったからです。

心の中でいつも吹き荒れる嵐を、押し込めながらの日常生活は、とても苦しく、自分の力では抱えることができません。

この想いを受け止めてほしい。支えてもらいたい。助けてほしい。洗い流してほしい。切実なこの心の叫びを大佛が受け取ってくださるのなら・・・。

実際に目に見えて、手に触れることが出来る大佛が現れて下さることは、すべての命の生きていく力になるのです。

私たちの【願い】と、これまで支えてくれたたくさんの人たちの【想い】を本当のかたちにするために。

皆様からのご支援を心よりお願い申し上げます。

遺族会 蓮の会


もしも大切な人をうしなう悲しみに終わりがあるとするならば、それは自身がこの世を離れて極楽で亡き最愛の人に再会する時でしょう。

わが子をうしなった母親の一人は「どんなケアを受けても、病気ではない私の悲しみは治ることなどありませんし、生きる希望も見出せませんでした。でも、来世に愛する人に会えると約束してくれる存在にめぐり会った時、私はあの子に会う日までしっかり生きようと思いました。

あの子に怒られないように・・・」と話してくれました。

「必ずまた会える」と約束してくれる大いなる御仏のお姿に直接触れることは、どんな識者の」言葉よりも大きな安心感をもたらしてくださいます。

ゆるぎないものを見出すことが難しい現代にあって、いついかなる時も会いにゆくことができ、悲しみや怒り、怨み、憎しみ等、どんなに醜い感情も受けとめてくださる大いなる御仏が、いまこそ必要なのです。

大いなる悲しみを経験した石巻の地に、訪れるすべての者を包み込む『いのり大佛』を一緒にお迎えいたしましょう。

 

勧進僧代表 吉水岳彦

勧進僧・・・・・仏像などを新造する際、全国をめぐって仏法を伝えながら寄附を募る僧侶。